麻雀だってがっつぎ過ぎは良くない?押してダメなら引いてみろ!秘技『仏打ち』
当たり前の事ですが...
麻雀は勝負事です。であれば前傾姿勢というか、やはりどうしても攻めっ気が先行してしまうのが常ではないでしょうか。誰よりも早く和了りたいし、誰よりもたくさん和了りたい。もし、この攻めの姿勢だけで好成績を維持出来ているのであれば、わざわざ打ち方を変える必要はありません。
そんなに思い通りにはさせてもらえない
しかし、攻め一辺倒ではどうにもならないのが麻雀です。特に相手が強者であればある程、いつもの正着を失着に変えられてしまいます。好調を感じて始まったはずが、気付けば足元をすくわれ、最終的には大負けという経験を私は過去に何度もしてきました。
誕生『仏打ち』
そんな経験から生まれた戦法が『仏打ち』です。勝手なイメージで命名しましたが、要するに焦らず騒がず慈愛の精神で寛容に打つという事です。
一枚目からがっつかない
一つ例を挙げるとすれば『役牌の二鳴き』です。 いつだって他家よりも一巡でも早く和了りたい訳ですから、スピードを考えれば役牌の一鳴きは必然の様にも感じます。しかし、そこをグッと堪えてスルーしてみるのです。
麻雀の基本は面前
その役牌が面前で暗刻になっていない時点で、今回のその手牌は鳴くべきでは無かったと考える事も出来ます。また、鳴くか鳴かないかで辿り着く結末はいくつもの可能性を秘めています。
結果を受け止め記憶する
「攻め麻雀」がうまく噛みあっていない時は一鳴きをして和了れない事がよくあります。必然のような鳴きであっても失敗に終わる場合は、結果を「たまたま」とせずに「一鳴き」だったか「二鳴き」だったかをしっかりと記憶しておきましょう。
他家に有利に働く
役牌に限らず「鳴き」の直後によく他家からの「リーチ」が発生します。「鳴き」によってツモ筋が変わる事で他家に有利に働く場面は少なからず存在します。また、面前者の立場からすれば鳴きを入れて前進する動きを咎めたい思惑もあります。そういった意味からも「リーチ」の発生頻度は自然と高まると言えます。
防御力は下がる
少し話は変わりますが、攻めと受けを同時に考えなければいけないのが麻雀です。
面前で一牌ツモってきて14牌構成の防御力を100とすると裸単騎(ツモってきて2牌構成)では14.3まで下がります。その差は約7倍です。
- 面前時は14牌/防御力:100
- 一回鳴けば11牌/防御力:78.6
- 二回鳴けば8牌/防御力:57.1
- 三回鳴けば5牌/防御力:35.7
- 四回鳴けば2牌/防御力:14.3
※手牌構成に暗刻や対子や筋牌が含まれる時はさらに防御力は下がります。
和了りきれなければ...
仕掛けて和了りきれれば問題ありません。しかし、途中で後退を余儀なくされた時には受けも考えなければなりません。仕掛けを増やせば増やすほど、他家にリーチをかけられた時の安全牌の選択肢は減っていくため、当然放銃の可能性は高まります。いつも遠い仕掛けばかりしていれば、リーチ者の餌食となる事は避けられないのです。
なぜか面前で暗刻になる
「二鳴き戦法」がハマる時は面前でその役牌が暗刻になります。また、これはあまり科学的根拠はありませんが、なぜか「一鳴き」をスルーしたその巡目で暗刻になる事がよくあります。鳴かせる側が強者であれば、その役牌を離す瞬間にも、細心の注意を払っているものです。もしかすると、どのタイミングで切れば相手に面前で暗刻にさせる事を回避出来るのかという事さえ、体で分かっているのかも知れません。また、自身の判断で「鳴く」という決断をしているようで、実際のところは相手に「鳴かされていた」と考える事も出来るのです。
「王牌死に」でも構わない
「二鳴き」におけるデメリットとしては、4枚目が王牌で死んでいる事が挙げられます。こうなると、役牌を暗刻にする事は出来ません。しかし、それでもよしとするのが「仏打ち」なのです。
実際には状態が良ければ、己の必要牌が王牌に殺されていないというのもまた麻雀の魅力と言えるでしょう。
使ってもいいし、使わなくてもいい
もし、役牌を2枚で使うのであればヘッドにする事も出来ます。さらにはピンフやタンヤオへ移行する為に、落としていってもいい訳です。これは麻雀の七不思議(?)の一つですが、この「役牌の対子落とし」という実質的な二手遅れを選択した事が和了への最短ルートになるという奇跡が起こります。
「二鳴き」の極意
「仏打ち」とは相手が鳴こうがわめこうが自分は動じずに打ってみようという戦法になります。 スピードで競り合って負けるなら「急がば回れ」で敢えて遠回りしてみるのです。 麻雀はシャンテン数を減らすゲームとも言われます。 しかし、本来は和了りが目的です。 結果だけを見れば、聴牌と和了では天と地ほどの差が出てきてしまいます。 一見、是でありそうな鳴きが最終的には他家の和了りへの架け橋となっていたりするのです。
極力自己主張しない打ち方「ダマ」
また、役アリ聴牌時にダマテンに構えたりするのも【仏打ち】の一つです。 最近の麻雀参考書では、圧倒的にリーチを推奨するものが多いと感じます。 根拠としては手替わりする確率が低いとか、相手をおろしてしまえといった感じでしょうか。
テンパイを悟らせない
しかし、リーチをかけてしまえば他家には確実に自身の聴牌を教える事になります。 (当然、受け重視の対局者の足止めというメリットもあります。)ダマにしていれば、すぐにでも和了り牌が切られて終局していたかも知れません。リーチをかけたが故に、第三者に足元をすくわれるケースは当然起きてくるわけです。
打点は二の次という考え方
リーチをかけない訳ですから、一発や裏ドラを加味すれば、打点は単純に半分以下となります。しかし、和了る事によって場を支配する事が出来ます。また、対局者によっては点数差以上の焦りを感じて自ら態勢を崩してくれたりもします。
和了る事で手繰り寄せる運
そういった有利な立場になる事で、手が入る事はよくあります。さらに、正着を打ち続ける事で「状態」に入る事が出来ます。「状態」に入った後はよほどのミスをしない限り、ちょっとやそっとじゃ風向きは変わりません。
一方で、一人が突き抜けないように他の3人がトップのズボンの裾にしがみつくという事も麻雀における立派な戦術になります。
「最近麻雀勝てないなぁ」という人へ
思うように勝率が上がらない方は騙されたと思って一度、この【仏打ち】を試してみて下さい。 きっと今までに見た事のない新しい世界が広がると思います。 もし、打ち筋を変える自信が無い場合は、レートを一つ下げてみて下さい。 不思議なほど自然に打ち筋を変えられるはずです。