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HABIT

習慣を身につければ世の中の大体の事はうまくいく

それには呼び名がなかったから僕はそれを「中年無業者」と呼ぶ事にしたんだ

人生

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支配からの卒業

ついにギャンブルをやめた。通称、金賭自堕落無駄時間興奮遊戯からの卒業。そう、それはまさに「支配からのそつぎょう〜♪」尾崎豊が生きていれば、きっと自分だけの為にあの切ない歌声を聞かせくれたに違いない。これからはもう空き時間にギャンブルをする必要はない。「もう戦わなくてもいいんだね..」妙に切ないそのフレーズがよほど気に入ったのか、物語の主人公を気取る中肉中背は何度か口ずさんでみた。そして静かに戦いの螺旋から身を引いた。

 

中年無業者

賭博重度依存にとって博打がない生活はパニックを起こすのに十分過ぎた。まず、何をするべきなのかが分からない。会社員であれば朝起きて会社に行けばいい。だけども僕には仕事がない。そう、無職なのだ。とうとうニートか..。ニートってなんだ?ふと、語源が気になってググってみる。

 

NEET:Not in Education, Employment or Training

就学、就労、職業訓練のいずれも行っていないことを意味する用語。日本では、15〜34歳までの非労働力人口のうち通学・家事を行っていない者を指しており、「若年無業者」と呼称している。

 

おい、まてよ!「若年無業者」って何だよ!「15〜34歳まで」ってどういう事だよ!俺だってまだピチピチの35歳だぞ。なんなんだ!この今までに味わったことのない種類の衝撃は!そうか、この国は自分みたいなものを呼称する言葉すら必要ないというのか。いいだろう、そっちがそう出るならこっちはどこにも出ないでアパートに引きこもってやる。こうして、名も無き男は自らを「中年無業者」と呼ぶという些細な抵抗で溜飲を下げた。

 

社会不適合者

だが、中年無業者の存在を世間様が許すはずがない。日本の国内総生産に全く寄与しないこの下等生物をきっと一様に害虫扱いすることだろう。そして、その凍てつく程に冷たい絶対零度の視線に耐える術を僕は持ち合わせていない。一刻も早く何かアクションを起こさなければ。とりあえず「ギャンブル以外に夢中になれる何か」を見つけよう。ん?何かってなんだ?皆々様は一体何をする事で人生をエンジョイしているんだろうか?皆目見当もつかないのですぐに想像するのをやめた。まさにこの一連の言動サイクルこそが社会不適合者のそれである。世間からの距離を置きすぎてコモンセンスが完全に欠落してしまっている。こんな時は基本にかえろう。よし、腹が減った、飯でも食おう。まずはそれからだ。

 

食って寝るだけの生活

腹が膨れると、松下幸之助のいう天地自然の法に従って睡魔が襲ってきた。横になるとすぐに眠りに落ちた。そういえば「食ってすぐ寝ると牛になる」って田舎の母ちゃんが言ってたっけ…。おぼろげな夢を見ながら現実と夢の世界を行き来していると、私は人類史上まず望まれてこなかったであろう願望を呟いていた。

 「私は牛になりたい。」

一体、牛になって何をしようというのか。願いは受け入れられるわけもなく否応なしに現実の世界へと連れ戻される。目が覚めるといよいよ本当の恐怖が襲ってきた。

 

頂点の切っ先

こんな生活が続けられるわけはないのだ。そりゃあ歴史を遡ったり、世界の国々に目を向ければ食って寝るだけの生活文化もあるかも知れない。でもここは日本だ。ましてや2017年である。文明開化につぐ文明開化によって開化ラッシュの進化形のその先の先端のとんがった頂点の切っ先だ。ITとITが衝突と迎合を繰り返し複雑に絡み合ってはまたほどけていくというそんな時代なのだ。己と社会との間に隔たる壁の高さを想像すると絶望の二文字以外に思いつく言葉はなかった。なのでしばらく部屋の隅で膝を抱えて震える事にした。

 

一大決心 

人間というのはつくづく不思議な生き物だと思う。部屋の隅で膝を抱えて震えるという行為で何かが生み出される可能性は限りなくゼロに近いという事を本能が脳に直接訴えてきてくれたのだ。「社会に適合できない」&「時代に乗り遅れすぎた」というこの二つのスペシャルなコラボレーションが功を奏したのか男はついに行動を起こす決心をした。「よし、TSUTAYAに行こう!」それは、中年無業者という新人類にとって歴史に残る記念すべき第一歩となった。

 

get-habit.hatenablog.com